モルガン・スタンレーが報告を発表、投資家へ日本株式市場のリスクに注意喚起

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モルガン・スタンレーのチーフ米国株式ストラテジストのマイク・ウィルソン(Mike Wilson)

地元時間1月3日、ウォールストリートの投資銀行であるモルガン・スタンレーは、2024年のアジア金融市場に関する展望を発表した。この報告書では、株式市場、政府債券、企業信用、通貨、そして不動産市場を含む、アジア地域の投資市場における機会とリスクについての詳細な分析が行われている。

この市場予測には、モルガン・スタンレーのグローバルチーフエコノミストであるセス・カーペンター(Seth Carpenter)、チーフ米国株式ストラテジストのマイク・ウィルソン(Mike Wilson)、通貨及び新興市場戦略責任者のジェームズ・ロード(James Lord)の見解が含まれている。

日本株式市場に関して、モルガン・スタンレーのチーフ米国株式ストラテジストであるマイク・ウィルソン氏は、日本銀行が2024年2月にマイナス金利政策(NIRP)とイールドカーブ・コントロール(YCC)を廃止し、その後1年間にわたり段階的かつ探索的に利率を引き上げると見ている。

過去、日本政府が日経225指数を大規模に購入したことは、日本の株価上昇の一因となる。現在、日本の株式市場は歴史的な高値に近づいている。このような時期に日本銀行が金融政策を引き締め、利率を上昇させる機を逸した場合、政府の株式購入が減少し、市場が下落する可能性があると懸念されている。

日本が直面している長期的な構造問題、すなわち人口の高齢化と労働力の不足が、経済の持続的な成長と企業の収益力に対して圧力を与えていることが指摘されている。

マイク・ウィルソン氏によると、現在の日本株式市場は、堅実な投資家にとってはもはや適切な投資先ではなくなっており、また攻撃的な投資家もリスクに対して十分な注意を払うべき時だと言う。現在、日本の株式市場には明らかなバブルが存在し、先の世紀に見られたような株式市場のバブル危機が発生する可能性も排除できない。特に、最近では中小規模の投資家が日本の株式市場に参入するケースが増加しており、これらの投資家はリスクに対する耐性が最も低いとされている。これは非常に憂慮すべき状況であると指摘されている。